診療科目
婦人科・産科
診療内容
更年期障害
女性のからだは、一生を通じて女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響を受けています。特にエストロゲンは、卵巣機能が活発な思春期から性成熟期にかけて順調に分泌されますが、45歳を過ぎるころからは卵巣機能の低下に伴ってエストロゲンの分泌量が大きく揺らぎながら減少し、50歳前後で閉経を迎えます。この閉経前5年、後5年の計10年間を「更年期」と呼んでいます。
また、エストロゲンは、生殖機能以外にも脂質代謝、心臓・血管、骨、皮膚・粘膜、脳機能など女性のからだのさまざまな場所で活躍しており、エストロゲンの急激な減少は、のぼせやほてり、発汗、関節痛、不安感など心身のさまざまな不調「更年期症状(障害)」の原因となることがあります。
- 更年期障害の治療には、ホルモン補充療法(HRT)、漢方薬、向精神薬などの薬による治療法があります。
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①HRTは、低下したエストロゲンを薬で補う治療法です。さまざまな更年期障害の改善が期待できます。
②漢方薬は、HRTができない場合や多彩な不調を訴える女性に試みられます。
③向精神薬は、抑うつや不安などの精神症状が強い場合に使用されます。
当クリニックでは、閉経前後または閉経後できるだけ早い時期からHRTを行うことを勧めています。そうすることで更年期障害の改善のみでなく、心血管疾患や骨粗鬆症の予防などが期待でき、閉経後の約30年あまりの人生を、心身ともに健やかに過ごせるようにお手伝いします。
HRTについてよくある質問
- 1.乳がんや子宮体がんの心配は?
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乳がんや子宮体がんの発症リスクを心配される方がいますが、HRTが乳がんの発症リスクに及ぼす影響は小さいと考えられています。5年未満の治療期間であれば、乳がんリスクは上昇せず、5年以上治療した場合でも、リスクの上昇は飲酒や肥満などによるリスクの上昇と同じかそれ以下といわれています。また、併用する黄体ホルモン製剤の種類によってリスクが異なるともいわれています。
子宮体がんのリスクは、黄体ホルモン製剤を併用することで、HRTをしていない方と変わらないといわれています。
令和3年9月にHRTを行っている方のために、経口天然型黄体ホルモン製剤(エフメノカプセル)が使用可能になりました。この薬剤を使用することで、子宮体がんを予防でき、乳がんリスクの増加もないか、わずかとなりました。当院では、エフメノカプセルを処方しています。
- 2.HRTはいつまで続けるの
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最新のガイドラインでは、HRTの投与継続を制限する一律の年齢制限や治療期間はありません。本人がリスクを理解して、継続を希望される場合は定期的な検診などを行った上で続けることができます。70歳以上でも継続している方はいらっしゃいます。
反対に、本人の希望でやめることも可能です。
女性ホルモン(エストロゲン)の大切な働きについて
- 脂質代謝
- 悪玉(LDL)コレステロールを減らし、善玉(HDL)コレステロールを増やす
- 心臓・血管
- 動脈硬化を防ぐ
- 骨
- 骨量を保つことで、転倒をふせぎ、寝たきり生活を予防する
- 脳
- 細胞の働きを活発にし、記憶力や認知力の保持に役立つ
- 皮膚・粘膜
- コラーゲンや水分量を調整し、張りや潤いを保つ
骨粗鬆症
骨粗鬆症とは、骨がもろくなり骨折しやすくなる状態で、閉経後女性に多くみられます。女性ホルモン(エストロゲン)には、カルシウムの吸収を促したり、骨の細胞が壊れるのを抑えたりする働きがあります。従って、閉経により卵巣からのエストロゲン分泌がなくなると、骨密度は減少し骨は弱くなります。骨粗鬆症になっても痛みはありませんが、転ぶなどちょっとしたことで、せぼねや太ももの付け根の骨が折れ、寝たきりとなり、健康寿命を阻害する原因となります。
当院では、足首の超音波法にて骨密度を測定しています。検査は、短時間で、すぐに結果がわかります。
また、名古屋市に住民票のある当該年度の4月2日の時点において40歳、45歳、50歳、55歳、60歳、65歳、70歳に達している方は、無料クーポンで骨粗鬆症検診が受けられます。
子宮がん
子宮がんには、子宮頸がんと子宮体がんの2種類があります。
- 子宮頸がん
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- 子宮の入口にできるがんで、性行為で感染するヒトパピローマウイルス(HPV)が原因です。
- 現在、若い女性に対して、HPVワクチン接種がすすめられていますが、効果は100%ではありません。
- 20歳を過ぎたらHPVワクチンを接種していても、性交経験のある方は必ず子宮頸がん検診を受けましょう。20歳ぐらいの方でも異常がみつかっています。
- 子宮体がん
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- 子宮の奥(体部)の内膜にできるがんです。50歳代から60歳代で最も多くみつかっていますが、近年、すべての年齢層で増加傾向にあります。
- 症状は不正性器出血です。
- 生理以外に出血がある、閉経後に性器出血がある、または生理不順の方は、子宮体がん検診を受けることをおすすめします。
子宮がん検診
- 子宮頸がん検診
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- 子宮の入口をブラシやヘラでこすって細胞を採取し、異常な細胞がないか調べる検査です。
- 名古屋市に居住している20歳以上の女性は、2年に1回、自己負担金500円(ワンコイン)で子宮がん検診が受けられます。また、当該年度の4月2日の時点において20歳、25歳、30歳、35歳、40歳の方は、無料で子宮頸がん検診が受けられます。6月ごろに無料クーポン券が郵送されてきますので、来院時にお持ちいただき、ご活用ください。
- 名古屋市外の方は、補助はありませんが、当院で検査できます。
- 子宮体がん検診
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- 子宮内に細いチューブやブラシなどを挿入し、子宮内膜をこすって細胞を採取し、異常な細胞がないか調べる検査です。
- 子宮頸がん検診より痛みを伴います。
- ワンコイン(500円)や無料クーポンをご利用の場合、子宮頸がんと子宮体がん両方の検査が500円で受けられます。
卵巣腫瘍(がん)
卵巣は「沈黙の臓器」と呼ばれています。
卵巣はお腹の中にあり、腫瘍ができていても初期段階では自覚症状はほとんどありません。
当院では、超音波検査を行い卵巣腫瘍の早期発見に努めています。
子宮がん検診と合わせて超音波検査を行うとよいでしょう。
生理に関連した症状
生理中に痛みが強い、生理時の出血量が多い、生理が規則的に来ない、生理前になるとニキビや肌荒れ、イライラ感、気分の落ち込みなどの不調がある。その他心配なことがありましたらご相談ください。
当院では、個々の患者様に合った治療法を選択しております。
子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫
- 子宮内膜症
- 子宮以外の所(卵巣や腹膜)で、子宮内膜に似た組織ができる病気です。
- 子宮腺筋症
- 子宮筋層の中で、子宮内膜組織ができる病気です。
- 子宮筋腫
- 子宮筋層にできた、こぶのような形状の良性の腫瘍です。
これらの疾患は、生理痛や生理時の出血量の増加の原因となります。重症の場合、貧血になることもあります。
当院では、低用量ピルやプロゲスチン製剤、漢方薬などで治療を行っておりますが、急激に大きくなったなど手術が必要な場合は、大きな病院に紹介しています。
おりものの異常
細菌が感染した場合や膣内に異物がある場合には、おりものの量が増えます。
また、色やニオイ、かゆみや痛みがある場合には、膣炎や性感染症をはじめ大きな病気が潜んでいる可能性があります。
自己判断で塗り薬や膣錠などの市販薬を使用された場合は、正確な診断ができないことがあります。
「いつもとは違う」と感じたら、お早目にご来院ください。
その他、下記についても対応しています。
- 性病検査
- クラミジア、淋菌、梅毒、HIV
- 妊娠診断
- 妊娠初期、妊娠届をお渡しするまで対応
- 避妊
- 避妊ピル、緊急避妊薬(アフターピル)、避妊リング(ミレーナ)
- エクエルプチ
- 手に関節痛がある方や、更年期の方におすすめです。
受診にあたって
- 当院は2階にあり、入口まで少し急な階段をのぼる必要があります。エレベータはございませんのでご了承ください。
- 土曜日は完全予約制で診療を行っております。
- 当日予約の場合、希望の時間に沿えないこともありますので、前日までのご予約が安心です。
- 体調不良や都合が悪い場合、ご予約の取り消しや、お日にちの変更は電話にてできます。
- 予約の枠が無駄にならないよう、ご協力よろしくお願いいたします。
初診の方へ
- 初診の場合、問診や診察などに時間を要することが多いため、前日までのご予約をお願いしております。詳しいことは、予約時に説明いたします。
- ご予約なしに直接来院された場合、状況により予約を取って、一度お帰りいただくこともございます。